「ピエール・ボワッソン」は、ムルソーで大きな注目を集める若手生産者。

　ドメーヌは1954年に設立されましたが、ピエール氏はその3代目当主となり、 　現在は父のベルナール氏との共同作業でワイン造りを行っているといいます。

　ドメーヌでは「ピエール・ボワッソン」ラベルの他にも「アンヌ・ボワッソン」と 　「ボワッソン・バド」という別の2ラベルでワインをリリースしているそうですが、 　これは相続税対策のために、畑を少しずつ生前贈与していることに伴う 　名義の違いだそうです。

　また、ピエール氏は同じムルソーの偉大なるドメーヌ「コシュ・デュリ」に 　大きな影響を受けているといい、当主のラファエル・コシュ氏とも非常に親しい間柄で、 　様々な意見交換を行ったり、栽培用具などを保管する倉庫も共同管理しているのだとか。
　なお、ワイン評論家のジャンシス・ロビンソン氏も、コシュ・デュリのスタイルを倣い 　成功を収めた造り手の一人として、ピエール・ボワッソンを挙げているということです。

　ピエール氏は「ブドウに手を加えなければ加えないほど、ワインは良いものになる」という 　信念を持っており、畑での仕事を何より重要視しているとのこと。
　日中のほとんどを畑で過ごしているため、氏をドメーヌで見かけるのは非常にレアなケースだそうです。

　畑を健全に保つために、殺虫剤や除草剤、化学肥料などの化学薬品は用いず、 　収量制限を行い、ブドウの酸度を保持するためにいち早い収穫を行っているということで、 　この収穫の早さはムルソーでもトップクラスだそう。